薬剤師になるには?合格率やメリットなどを徹底解説!

薬剤師になるには

薬剤師になるには国家試験に合格する必要があります。また国家試験を受けるには条件があり、それを満たさなければ試験に挑むこともできません。

近年では社会人から薬剤師の資格を取りたいと希望する方も、徐々に増えてきているようです。

薬剤師は女性も働きやすい職業であることから人気を集めていますが、社会人から薬剤師になることはできるのでしょうか。

今回は薬剤師になるための条件や合格率、また薬剤師免許を取得するメリットについて詳しく解説していきたいと思います。

薬剤師になるには6年制の薬学部課程を修了する必要がある!

前述のとおり、薬剤師になるには国家試験に合格して、資格を取得する必要があります。

つまり薬剤師の資格を得るには、国家試験を受けることが前提となっているわけですね。

しかし国家試験を受ける際にも必須となる条件があります。

国家試験を受けるには薬学部を出ていることが条件となっている

それは6年制の薬学部または薬学科を卒業していることです。以前の薬学部は4年制だったのですが、より質の高い薬剤師を育成するため、平成18年から6年制に変更となりました。

このように国家試験は薬剤師の言わば登竜門となる試験ですが、それを受けるには6年制の薬学過程を修めている必要があるということです。

よって薬剤師を目指す場合は、まず6年制の薬学部課程を修了できる大学に通う必要があるのです。

4年制の薬学部では薬剤師の資格を取得できない

ちなみに薬学部の中には4年制となっている場合もありますが、こちらを修了しても国家試験を受けることはできません。

こちらの場合は薬剤師を目指すのではなく、研究者または開発者といった分野を目指す人が修了する課程となります。

薬剤師になるには国家試験をパスする必要がある!合格率はどれくらい?

薬剤師になるには、国家試験を避けて通ることはできません。

国家試験を突破することで薬剤師免許を取得することができるわけですが、合格率のほどはどれくらいなのでしょう。

近年の国家試験における合格率をまとめてみると、以下のようになります。

合格率
平成28年度(第101回) 76.85%
平成29年度(第102回) 71.58%
平成30年度(第103回) 70.58%
平成31年度(第104回) 70.91%

ここ数年は70%以上の合格率となっています。このようにみると合格率は決して低くなく、むしろ高い方だと言えるでしょう。

上記のデータを見る限りでは全体で7割の受験者が合格しているので、薬学部課程を経て薬剤師になるのは、存外簡単なように見えますが……。

薬剤師の卵はたくさんの科目を勉強する必要がある

将来薬剤師になるためには、薬学部で勉強する必要があります。しかし決して楽な道とは言えません。

薬学部は他の学科よりも必修科目が多いとされています。その上で薬学部では修める科目は、ほぼ全てが必修となっています。

つまり全ての科目で一定以上の成績をあげなければならないのです。

薬剤師の国家試験における科目一覧
物理/化学/生物・衛生・薬理・/薬剤・病態/薬物治療・法規/制度/倫理・実務

好きな科目・得意な科目だけ力を入れれば良いというわけではないので、苦手科目がとことん苦手だと、留年する可能性もあります。

授業に出て単位を取得することはもちろん、テスト対策で過去問分析を怠らないなど、科目を落とさないよう薬学生は必死に努力しているのです。

薬剤師になるには勉強する環境も大事!大学選びは慎重に

事実、薬学部課程を選択できる一部の大学では、薬学部における留年や卒業できない学生が少なくないため、これら問題をどうクリアするかが課題となっています。

自分の気質に合う大学でなければ、勉強するのが困難になる可能性も決して低くはないでしょう。

よって薬学部のある大学選びは、慎重に行うことをおすすめします。

空いた時間を使って、ぜひ無料説明会や見学・体験などに足を運び、自分にマッチする大学を選ぶようにしてください。

薬剤師になるための国家試験に落ちたら、もう受験はできないの?

国家試験を突破することは薬剤師になるための必須条件ですが、上記のようにその道のりは決して楽であるとは言えません。

しかし試験で出る問題は全て大学で勉強したことばかりです。前述したように7割以上の人が合格していますので、しっかりと勉強して対策しておけば突破できます。

一方で国家試験に落ちてしまうとどうなるのでしょうか。もう二度と試験を受けることはできないのでしょうか。

国家試験は何度でも受験できるので再挑戦する人も

国家試験に一度落ちてしまったら、再度挑戦できないというわけではありません。

薬剤師になるための国家試験には回数制限はなく、何度でも試験に臨むことが可能です。

試験に合格できなかった場合、再試験を目指して予備校などに通い、1年間勉強する人も大勢います。

また、国家試験の受験資格には年齢制限もありません。

たくさんいるとは言えませんが、中には社会人から薬剤師の資格を取るために、大学に入り直すケースも存在します。

薬剤師は年齢制限が無いので何歳からでも目指せる!

薬剤師になるには6年制の大学を卒業する国家試験をパスするという条件が必須となっていますが、逆に言えばそれ以外の条件は特にないので、何歳からでも目指すことはできます。

よって薬剤師は誰でも目指すことが可能であると言えるでしょう。ただしちゃんと勉強しなければ、卒業も試験合格も実現できないので、学費と時間がかかることは覚悟しなければならないでしょう。

社会人から薬剤師になることも可能!ただし就職においては妥協が必要

また注意しておきたいのは薬剤師になったときの年齢です。薬剤師の資格に年齢制限が無いことは先にも述べましたが、年齢が高すぎる場合は良い条件の職場でも採用されない可能性が高くなります。

新卒以降の社会人から改めて薬剤師資格を取得する場合は、薬剤師の資格を取得できたとしても、一流企業などの大手就職は難しいので、その点に関しては留意しておく必要があります。

決して楽な道ではないが、薬剤師資格を取得するメリットは大きい

薬剤師になるための条件については先述したとおりです。国家試験の合格率は決して低くないとはいえ、在学中は勉強に多くの時間を費やす必要があります。

しかし薬剤師免許を取得することで、様々なメリットを得ることができます。

薬剤師は転職しやすく採用率も比較的高い

薬剤師は転職に対しての偏見がほとんど無い職業と言えます。大手転職サイトのマイナビや薬キャリなどでも見られるように、薬剤師専門の転職サイトは数多く存在します。

言ってみれば薬剤師の転職は売り手市場となっているくらい、当たり前のことなのです。

さすがに勤めてからすぐ辞める・何十回も転職する、といった行為は受け入れられませんが、2度3度転職しても、採用に悪影響が及ぶことはほとんど無いと言えます。

また学費負担などの問題から、現在でも薬剤師不足は解消されていないので、まだまだ薬剤師の売り手市場は続きそうです。

薬剤師になることで就職難も比較的容易に乗り切ることができるでしょう。

他の職業に比べて収入が安定している

薬剤師になるには6年制の学習課程を修める必要があるので、通常よりも学費がかかるのは否めません。

しかしその高い学費を払うに見合うメリットとして、収入が安定していることが挙げられます。

まだ25歳程度であっても年収500万円であるケースも珍しくないのです。また薬剤師の転職サイトで見かけるパート・派遣社員の求人でも、時給が2,000円程度となっていることはよくあるケースです。

その代わり薬剤師は昇給を望むのが難しい職業でもあります。これも薬剤師がよく転職する理由の一つといえるでしょう。

そうはいっても、一般の職業に比べて基本収入が高いという点は、大きなメリットであると言えます。

一部の資格で試験無しなどの免除が適用される

薬剤師の資格を取得することで、特定の資格では実地試験が免除になるといったメリットもあります。

たとえば以下のような資格を取得する際には、薬学課程を修了しているまたは、薬剤師の資格を持っていることで有利になる場合があります。

薬学課程を修了していると免除が適用される資格

登録販売者 実地試験の免除
弁理士 選択科目の免除
食品衛生管理者 試験・講習の免除
水道技術管理者 試験の免除

薬剤師免許を持っていると免除が適用される資格

医薬情報担当者(MR) 一部科目の免除
衛生管理者 申請のみで取得できる
麻薬取締官 実務試験の免除
毒物劇物取扱責任者 試験の免除
労働衛生コンサルタント 一部科目の免除
5年以上の実務経験で受験できる

薬剤師免許のほかに、これらのような他の資格を取得することで、スキルアップや年収アップを目指す薬剤師もたくさんいます。

薬剤師を目指す人は年度ごとに増えている!

今回は薬剤師になるにはどうすれば良いのか、薬剤師のメリットなどをご紹介させていただきました。

学費の負担をはじめとしたデメリットもありますが、安定性の高い職業であることから年々薬学部を目指す人は増えているようです。

薬学部は学費の負担が大きいという方も少なくありませんが、企業の中には働く代わりに学費を負担してくれるところもあります。

これから薬学部を目指すという方は、このような企業の支援制度もチェックしてみましょう。