薬剤師は契約社員としても働くことができます。契約社員はずっと同じ会社で働きつづける正社員とは異なり、一定の期間だけ社員として勤務するという働き方です。
正社員以外の雇用形態では、派遣やパートといった働き方をする薬剤師が多いと考える方もいますが、実のところ契約社員で働く薬剤師も決して少なくはありません。
正社員以外の働き方がしたいけれど、アルバイトやパートで働くのも難しいという場合は、契約社員として働くという選択肢もあります。
今回は契約社員を検討している薬剤師の方に向けて、勤務メリットやデメリットについてご紹介していきたいと思います。
薬剤師業界の契約社員は一般とは異なるメリットがたくさん!
正社員・契約社員は名称で共に社員とは付きますが、異なる点もいくつかあります。
契約社員の薬剤師として働く場合、正社員やパート勤務の薬剤師とは何が違うのでしょうか。
ここでは契約社員の特徴やメリットをまじえて、他の勤務形態との違いを詳しく解説していきたいと思います。
フルタイムよりも少ない勤務時間で働くことができる
契約社員の薬剤師として勤める場合、正社員とは異なる勤務時間で働くことができます。
たとえば一般的な正社員の勤務期間は1日8時間となっていますが、契約社員である場合は1日7時間など、正社員よりも比較的少ない勤務時間でも働けます。
このため正社員よりも自由に使える時間を確保しやすくなり、プライベートを充実させる・子育てに集中できるといった働き方が可能となります。
薬剤師業界では契約社員の方が正社員よりも年収が高い
一般的に正社員の方が契約社員よりも給料が良いという印象がありますが、実のところ正社員薬剤師の給料は時給に換算すると、むしろ非正規雇用の社員よりも少ない計算となります。
薬剤師の場合は、意外なことに契約社員の方が収入が多くなるのです。
そのため薬剤師の非正規雇用では正社員よりも、高い収入を得ることができるというメリットがあります。
正社員薬剤師よりも高い年収からスタートできる
契約社員でも薬剤師の場合は、年収500万円からの募集もあります。
一方で正社員の場合は、東京などの大都市にある薬局でも、年収450万円からとなっています。
このように契約社員は比較的高額な年収からスタートすることが可能となっています。
また薬剤師として豊富な経験を積んでいる方の場合は、ラウンダー薬剤師として勤務し、さらに高い年収を得ることもできます。
パート薬剤師と同じく時給制で働くこともできる
また自分の都合に合わせた働き方ができるのも契約社員のメリットであると言えます。
正社員薬剤師のようにフルタイムで働くこともできますが、パート薬剤師のように時給制で好きな時間や曜日で勤務できる職場もあります。
働き方はパートと同じではありますが、時給は一般的なパート・アルバイトよりも高めに設定されています。
求人によっては時給3,000円以上からスタートも可能!?
契約社員は正社員よりも高収入であることは、上記でも述べましたが、時給制の契約社員である場合、普通のパート・アルバイトよりも高い収入を期待することができます。
通常パート薬剤師として、調剤薬局やドラッグストアで勤務する場合、時給2,000円スタートとなるのが一般的です。
しかし契約社員でのパート勤務である場合は、大体時給27,00円以上からのスタートとなっており、職場によっては時給3,000以上に設定されていることもあります。
つまり契約社員で時給制での勤務でも、安定した収入を確保することができるというわけですね。
薬剤師の場合は契約社員でも福利厚生が充実している
正社員とパート勤務の違いと言えば福利厚生が挙げられますよね。
正社員ならば、職場で提供されている福利厚生を全て適用できるのに対して、パート・アルバイト勤務では全く適用できないか、適用できても一部のみというのが一般的です。
しかし契約社員での勤務となると、パート薬剤師よりも手厚い福利厚生が期待できます。
正社員とほとんど同じ福利厚生を適用できる
薬剤師業界では契約社員は正社員とほとんど同じ扱いとなります。健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険といった、基本的な社会保障は完備されています。
また他にも賞与・家賃補助・各種手当・休暇といった制度も適用されます。
このため正社員とは異なる雇用形態であっても、しっかりとした福利厚生を期待できるというメリットがあるのです。
薬剤師であっても契約社員勤務ではデメリットもあるので注意
薬剤師業界における契約社員は、一般的な契約社員とは年収・勤務条件・雇用条件の内容がかなり異なると言えるでしょう。
契約社員だといつ職場との契約が切れるかわからないから、正社員よりも不安定という印象が強い傾向にありますが、薬剤師の場合は慢性的な人手不足もあり、よほどのことが無いかぎり契約が打ち切られることはありません。
そのほかにも以上記で述べたように下のようなメリットが挙げられます。
- 正社員・パート勤務よりも高い年収を得られる
- フルタイム・パートタイムどちらも選べる
- 福利厚生も正社員とほぼ同じように受けられる
契約社員で働く際に注意しておくべきデメリット
それではデメリットが全くないのかというと、残念ながら薬剤師業界の契約社員にもデメリットはいくつかあります。
- 正社員のような退職金は支給されない
- 短期間の契約で終わってしまうこともある
正社員のような退職金は支給されない
正社員であればほとんどの職場で退職金が支給されますが、薬剤師であっても契約社員の場合は退職金制度が適用されません。
契約社員に適用されるのは雇用保険のみとなっています。さらに雇用保険を適用しても最大で7,000円ほどしか支給されないため、ほぼ退職金と呼べるようなお金は受け取れないと思っておいた方が良いでしょう。
契約社員を検討している場合は、退職金についてもしっかりと考慮した上で、契約社員として働くかどうかを決めるようにしましょう。
短期間の契約で終わってしまうこともある
基本的に薬剤師の場合は大体の場合、契約更新できることが多いのですが、それでも短期間だけで終わってしまうケースが全くないというわけではありません。
たとえばスタッフが産休の間だけ、代打で勤務するという契約で入った場合は、産休が開けた後は契約満了となります。
このような場合もあるため契約社員で求人を探す場合は、契約期間についても充分に確認しておく必要があると言えるでしょう。
なるべく同じ職場で働き続けたいのならば、パート勤務を検討した方が良い可能性もあります。
薬剤師業界での契約社員勤務は柔軟に働ける勤務スタイル!
一般では安定しない印象の契約社員ですが、薬剤師の場合は高年収で自由な時間を確保しやすい働き方であるため、検討する価値は充分にあると言えます。
また契約社員は契約期間のみの勤務であるため、最初はどのような職場であるか下見も兼ねて勤務し、働きやすい職場であったなら正社員を目指すというやり方もできます。
自分の都合で働きやすい条件が揃っている分、その利点を充分に活かしていきたいところです。
薬剤師資格を活かして働きたい方は是非、メリットとデメリットを踏まえた上で契約社員としての働き方も検討してみてくださいね。