離島で働く薬剤師のメリットは?都会とは何が違うの?

薬剤師は全国様々な場所で活躍していますが、中には本土から離れた離島で働く薬剤師さんもいらっしゃいます。

便利な都会から離れていることと、土地柄についてよく知らない人が多いことも相まって、離島で働くことにためらいを感じる薬剤師も少なくありません。

しかし単に都会から離れているというイメージとは裏腹に、都会にはないメリットもたくさんあります。

今回は離島で働く薬剤師のメリット・デメリットについて、詳しくご紹介していきたいと思います。

離島勤務は地域の人々だけでなく薬剤師にとってもメリットがいっぱい!

離島での暮らしはあまりピンとこないという人もたくさんいますが、実際には薬剤師業務にやりがいを感じる部分が多いなど、都会から離れた地域ならではのメリットもたくさんあります。

ここでは離島に勤務する薬剤師のメリットをご紹介していきましょう。

都会での勤務よりも高い収入が得られる場合が多い

離島で働く際にまず挙げられるメリットは高収入が期待できるという点です。

都市部の調剤薬局やドラッグストアに勤める場合の年収相場は、400万円~500万円ほどですが、離島で勤務する薬剤師の場合は600万円~800万円が相場と、かなり高い金額となっています。

薬剤師の場合は都会の求人よりも地方地域の求人の方が、高年収となっている傾向にあり、都会から離れているほど高い年収が期待できます。よって年収を大幅アップさせたい方にとっては、非常に狙い目であると言えるでしょう。

自然が豊富でアウトドアを楽しむにはうってつけの環境

都会とは違って離島は自然が溢れているので、アウトドアを楽しむにはうってつけの環境です。

普段は薬剤師として勤務する傍ら、空いた時間にスキューバダイビングや、サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむことができます。

また登山もできるので海・山どちらのレジャーも揃っているのが、離島の醍醐味であり、アウトドアが好きな方にとっては、まさに楽園のような環境であると言えます。

患者さんとじっくり向き合う時間を確保しやすい

都会の病院の付近にあるような門前薬局などでは、多くの患者さんが訊ねてくることもあり、スピード重視の仕事に追われている薬剤師の方々もいます。

一方で離島の薬剤師は決して暇というわけではないものの、一人一人の患者さんに向き合うことができます。

離島の薬剤師はスピードよりも、島の住民とコミュニケーションを取ることの方が重視されます。

患者さんとの会話も大事な業務となっており、その分地域との繋がりもより太くなり、やりがいを感じる薬剤師も少なくありません。

地域の住民と温かい交流を結ぶことができる

薬剤師もほとんどの場合は都心に集まる傾向にあります。しかし薬剤師がいないと処方箋をさばくことができなくなり、薬局自体の運営ができなくなってしまうので、そうなると地域の人は大変困ります。

よって離島に勤務する薬剤師さんは住民からのニーズが非常に高く、感謝される傾向にあるようです。

離島では「先生のおかげで体調が良くなりました」など、声をかけてもらえるのが仕事のモチベーションになる、という薬剤師はたくさんいるようです。

都会での希薄な空気感に侘しさを感じる方、地域との温かい交流が好きな方にはおすすめです。

地域のプライマリーケアにおける活動で大きな役割を担う

薬剤師は地域医療に貢献する仕事でもありますが、都会から離れた離島では医療関係者が少ない分、離島で働く薬剤師の役割と重要度はより大きくなります。

離島では人員が限られている分、各医療関係者がそれぞれ携わる専門性を発揮し、多種目連携による医療がさかんに行われています。

このような都会での勤務や座学では得られない経験により、薬剤師スキルをよりアップさせることも期待できます。

離島での薬剤師業務は都会とは違う環境なので合わない可能性も!?

自然が豊かな環境が揃っており、収入面や地域との交流など、離島での勤務は都会には無いメリットがたくさんありますが、以下のようなデメリットもあります。

都会よりも利用できる施設が少ないので退屈に感じる人も

現代では様々な娯楽施設を利用することができますが、離島は本土のようにお洒落なビルや豊富なレジャー施設はありません。

娯楽と言えばマリンスポーツやアウトドアが大部分を占めるので、それらのものに対して特に興味がないという方にとっては、離島での生活が非常に退屈なものとなってしまう可能性があります。

また病院やスーパーの数も都会と比べて少なく、夜遅くまでお店が開いている都会とは違って、夕方には閉まってしまうお店も珍しくありません。

このため都会よりも刺激が無くて飽きてしまうという人もいるようです。

都会とは異なる離島の環境に慣れる必要がある

離島は本土よりも自然が豊富であるため、環境による影響も大きく異なる点がいくつかあります。

潮風で生活用品がすぐにサビだらけになる

たとえば海に囲まれているので常に潮風にさらされている影響で、すぐに金属類が錆びてしまいます。郵便ポストやドアノブといった日常で使うものも、劣化が早いという特徴があります。

さらにはエアコンなどの室外機や車までもサビだらけになるので、都会よりもメンテナンスに気を配る必要があるようです。

ただし車を貸し与えてくれる薬局も多いので、車についてはあまり心配ないという薬剤師もいます。

大雨や台風の影響で不便な思いをすることがある

離島は降水量が他の地域よりも多いという特徴があります。大型の台風が通過することも珍しくなく、洪水が発生する島もあります。

南国特有のスコールが多いため、洗濯物が乾きにくくなります。とはいえ沖縄地方のマンションでは乾燥機が設置されていることも多いので、乾燥機でカバーすることは可能となっています。

ただし台風が来る際には、物資を運ぶ船が運休するため、コンビニやスーパーから食品が無くなることもしょっちゅうです。

また診療所なども休診となるなど、台風の際には日常的に利用する施設が使えなくなる点には注意が必要と言えるでしょう。

都会にはいない謎の生き物と多数遭遇する

離島では本土では見られない様々な生き物が生息しています。温暖な地域なため特に虫の数が多く、部屋にも頻繁に侵入してきます。

虫に関してはそれなりの大きさのものも珍しくないようで、さらにヤモリが平気で部屋に入り込んでくることもあるようです。

よって虫や動物が苦手な人ほど頻繁に遭遇することを覚悟しなければなりません。

とはいえ先に島に住んでいたのは彼らなので、ここは敬意を払って共存する方向で生活していきましょう笑

用事があって本土へ渡る際の交通の便が悪い

離島暮らしの中でも大変なのは、本土への行き来です。たとえば講習や研修会が本土である場合は、交通費が比較的高くなる傾向にあります。

また友人や身内の結婚式がある場合も、ご祝儀の他に移動費用が重なるので、より出費が多くなると嘆く薬剤師もいます。

このように本土への用事がある場合は、行き来するのが大変というデメリットもあります。

離島では慣れも必要だけれど、充実した薬剤師ライフが送れる可能性もある!

離島での薬剤師勤務は慣れるまで大変な面もありますが、合う人であれば非常にマッチすると言えます。

たとえばサーフィン・釣り・スキューバダイビングが好きな人であれば、趣味を楽しみながら暮らせますし、さらに収入も良くて地元からは感謝されて、本当に充実した日々を送ることができる可能性があります。

別にアウトドアが趣味でなくても、離島への移住を機に始めてみるというのもアリでしょう。普段インドアな仕事である分、ストレス解消や運動不足解消にはもってこいです。

都心から離れた地域の求人を探すなら転職サイトの利用がおすすめ!

離島での求人を探しているのであれば、転職サイトに相談するのが一番でしょう。

転職エージェントは職場や地域に関する情報を網羅しているので、一人で調べるよりはるかに効率よく情報収集ができます。

また店舗面接で交通費を出してもらえるのであれば、実際に現地へ行ってみて下見をしておくこともできます。

薬剤師業界では離島のような都心から離れた勤務地だと、割と高待遇な求人がたくさん出ているので是非チェックしてみてくださいね。