憧れの薬剤師になるために6年も薬学部で勉強したのに、いざ薬剤師になってみるとつらいことばかり…。そんな悩みを徹底調査!
「他の人たちはこの仕事についてどう感じているのだろう?」なかなか聞きづらいあれこれを、この記事でご紹介します。現在薬剤師として毎日働いている人に向けて、これから薬剤師として働きたいと思っている人に向けて、将来の方向性を考えていく道しるべになれば幸いです!
Contents
薬剤師の職場別お悩み
薬剤師の代表的な悩みとは?
まず、薬剤師としての仕事で、職種問わず全体的に抱えている悩みが以下の3つになります。
・人間関係
・残業や業務量の多さ
・仕事のやりがいや将来性が見えない
これら3つの悩みについて具体的に見ていきましょう。
人間関係
薬剤師の一番の悩みと言っても過言ではないものが「人間関係」です。なぜ多くの薬剤師が上司、同僚、後輩とのコミュニケーションで悩んでいるのでしょうか。薬局やドラッグストアでは、彼らが働く場所は基本的に同じ職場で働いている人数が少ないことが多く、閉鎖的な環境になっていることがしばしばあります。そういった職場で働くことは、一緒に働いている人とのコミュニケーションがうまくいけば、楽しく過ごしやすいと思いますが、自分の苦手なタイプの人がいたり、場になじめずイジメを受けたり、そういったトラブルがあると閉鎖的な職場であるために逃げ場が無くなってしまい、悩みの原因となっているようです。
残業や業務量の多さ
薬剤師という仕事は意外にも残業・業務量が多いです。調剤だけではなく、患者さんへの接客業務や医薬品の整理、品出しなど業務内容は幅広いですし、人手不足の職場も少なくなく、帰りが遅くなったり、自分の時間が持てなかったりして、そういったことで悩んでいる人も多いようです。
仕事のやりがいや将来性が見えない
薬剤師は山ほどある調剤業務を朝から晩までずっとやっています。「調剤業務自体は好きだけれど、本当にこのままこの仕事だけやっていくと考えると不安…」と悩みを抱える人が結構います。社会人として同じ業務をやり続けることは、その仕事のプロフェッショナルとなれるものの、「つぶしがきかない」という状況に陥ってしまう可能性があります。薬剤師になったばかりとは違って、将来が見えず、このままでいいのかと悩んでしまうのです。
ここでは薬剤師の全体的な悩みをご紹介していきましたが、それぞれの職場では具体的にどのような悩みがあるのでしょうか。次の項目でご紹介します。
調剤薬局で働く人の悩みとは?
1日中調剤業務に追われている
最も多く出たのは「1日中調剤業務に追われている」という悩みです。ひとつの調剤薬局で働く薬剤師の数はそれほど多くありません。1人の薬剤師が1日でこなせる処方箋の枚数は1日40枚ほどと言われていますが、人手が足りずに1人でもっと多くの処方箋を扱っている人も…。事前に十分な人数がいる職場なのか調べてみるのもアリかもしれません。さらには、調剤業務はミスをすると大変なことになってしまいますから、ミスは許されません。そういったプレッシャーに毎日つぶされそうになっていることも含め、悩みの原因となっているようです。
勤務時間と比較して給料が少ない
「勤務時間と比較して給料が少ない」という悩みも多くありました。薬剤師の平均給料は約350~600万円とかなりバラつきがありますが、調剤報酬がマイナス改定されたことに伴って、調剤薬局で働く薬剤師は年収がダウンしたということもあるそうです。
女性ばかりの環境で人間関係がつらい
「女性ばかりの環境で人間関係がつらい」という声も男女ともに多く聞きます。先述したように閉鎖的な職場が多く、また薬剤師は女性が多めで人間関係がこじれると直しづらく、お局薬剤師のせいで毎日苦しめられているという悩みもしばしばあります。
単調な仕事
「単調な仕事」という悩みも少なくありません。苦労して薬剤師になったのに、実際の仕事は単純作業という事実にモチベーションが下がってしまう人が、特に新人薬剤師に多くいるようです。調剤薬局には様々なカタチがあり、近くの病院がどのような病院かによっても扱う医薬品の種類が違ってきます。別の調剤薬局に転職することで、別の働き方ができ、単調な仕事から抜け出せるかもしれません。
ドラッグストアで働く人の悩みとは?
調剤以外の業務が多い
最も多く聞かれた悩みは「調剤以外の業務が多い」でした。ドラッグストアは医薬品はもちろんですが、日用品もたくさん販売しています。店全体の売上を考慮しなければならないため、本来の薬剤師としての業務とはかけ離れたレジ打ちや品出しなどの仕事に追われてしまう人が多いようです。
お客さんとのコミュニケーションが苦手
「お客さんとのコミュニケーションが苦手」という声も挙げられます。薬局であれば医師に症状を伝えて症状に合った薬を処方されますが、ドラッグストアはお客さん自身が薬を探すため、患者さんから自分にはどの薬が合うのか質問される機会があります。世間話や何気ない相談を受けることも多いでしょう。忙しいときに話しかけられるのも困りますし、コミュニケーションが得意でない人にとっては疲れる環境と考えられます。
土日も出勤しなければならない
「土日も出勤しなければならない」という悩みも多いです。ドラッグストアに勤める薬剤師は、シフト制がほとんどですが、年中無休の店舗が多いですよね。ドラッグストアは必ず薬剤師が常在していなければなりません。薬剤師の数が少ないところではほぼ毎日出勤しているという人もおり、毎週土日に確実に休みをとるというのは難しいです。プライベートの時間や遊びに行く時間が少ないため、不満が溜まってしまい、つらい思いをしながら働いているという現状のようです。
売り上げにノルマがかかる
最近は「売り上げにノルマがかかる」所も多いそう。これはもはや薬剤師としてではなく、店舗の経営に携わる従業員としての悩みになっていますね。売り上げについて細かく考えたり、品物が売れるようにポップを書いたり、ノルマを達成できるように様々な工夫が必要になってきます。このように店舗全体の売り上げについて考え、ノルマに追われることが苦痛で悩んでいる薬剤師さんは、近頃特に増えているようです。
企業薬剤師の悩みとは?
薬剤師の資格を生かす仕事がしたい
最も聞かれた悩みが「薬剤師資格を生かす仕事がしたい」というものです。具体的に述べると、医師や病院に自社の製品を売り込むMRであれば、薬剤師の資格がなくても普通に行える営業の仕事です。そのため、「薬剤師としての役割を活用できていない」「臨床の現場の方が薬剤師らしく働ける」と悩んでしまう人が多いそうです。
転勤が多い
薬局やドラッグストアで働く分には転勤はほぼありませんが、企業薬剤師は一般企業と同じように転勤が多く、「引っ越しをしたくない」「家族の事情で同じ場所で働き続けたい」という人には向かない仕事かもしれません。
残業が多い
企業に勤めるため、やはり残業がそれなりに多いというのが実情のようです。製薬企業などは大企業のため福利厚生が整っていて給料もいいところですが、いくら手当がつくといっても残業が多いと困ってしまいますよね。仕事もハードでストレスが溜まる仕事は、いくら給料が高くても大変だという人が少なくないようです。
病院で働く薬剤師の悩みとは?
当直・夜勤が多い
病院には入院をしている患者さんがいるため、休みもほとんど無ければ、当直や夜勤をしなければならない薬剤師も少なくないです。気力や体力が持たずに悩んでしまい、辞めてしまう人もたびたびいます。
医師や看護師との人間関係
病院では、やはり薬剤師よりも医師の決定権が強いことが多く、自分のやりたいことができなかったり、医師や看護師から下に見られてしまったり、苦痛を強いられる職場がたびたびあるようです。さらには病院業務をする薬剤師と言っても、実際に現場に携われるのは勤務年数がある程度経ってからという決まりがある病院もあり、ポストが空いてからでないと入らなければならないという事情があります。
給料が安い
病院という現場で働くため、やりがいを感じられる職種ですが、実は給料が安いというのが現状です。具体的な数字を挙げると、年収が約400~650万円です。これは薬局やドラッグストアで働く薬剤師よりも低く、やりがいと給料を天秤にかけて悩む人が多いようです。
休みが少ない
病院は常に稼働していて、休みというものがほとんどありません。土日勤務はもちろんですが、連休がとれない、シフトの変更がきかないという悩みが出てきてしまいます。
悩める薬剤師はどうしたらいいのか
ここまで、職種ごとの薬剤師の悩みをご紹介していきましたが、では、悩める薬剤師はどうすればいいのでしょう?
まず、職場の上司や同僚に悩みを相談してみてください。意外と上司がうまく手配してくれたり、内心同じことを思っている同僚がいたりするかもしれません。悩みを打ち明けることで精神的に軽くなることもあります。自分の職場には、悪いところだけではなく、良いところもあるはずです。
それでも環境が良くならなかった!そうなれば、最終的に考えるのは職場を変えることです。いわゆる「転職」ですね。転職をする場合は、コネや自力という手もありますが、転職後の新しい職場での「思っていたのと異なることがたくさんあった」というギャップをなるべく減らすためにも、薬剤師専門の転職サイトに登録して、自分に合った転職先を見つけるのが良いと思います。自分の悩みを明確にし、それが解決できる一番の職場を探すということが、新しい職場で自分らしく、薬剤師らしく働く近道になります。悩みを相談するだけでも可能ですので、ぜひ一度登録してみてはいかがでしょうか。