薬剤師は意外とストレスフルな職場に勤めることが多いです。そのため、うつ病になってしまうことも少なくありません。「医者の不養生」ではないですが、実際にうつ病と診断されて仕事を辞めざるを得ない人もたびたびいらっしゃいます。
ここでは、薬剤師がうつ病になってしまう要因を職場別にご紹介し、対策を考えていきたいと思います。
Contents
調剤薬局で働く薬剤師
まずは、調剤薬局で働く薬剤師がうつ病になってしまう要因を探っていきましょう。
調剤薬局という職場の特徴としては「狭い空間と狭い人間関係」が挙げられます。一日中調剤室で仕事をしていて、同僚や上司が限られた環境で過ごすことにストレスを感じてしまうことが多いようです。長時間狭い室内で同じメンバーで働き、なかなか外へ出ることができないというストレスは、どこにも発散するところがありません。
また、処方せんを持ってきた患者さんから苦情を言われたり、ときには罵声を浴びせられたり、因縁をつけられたりしても、人の少ない薬局内では人間関係を悪化させるわけにはいかないので、そういったことで愚痴を言うのは難しいですよね。悶々と自分の中で貯め込まなければいけません。
また、調剤薬局での仕事は毎日同じように処方せん通り調剤を行っていくだけなので、その単調さにストレスを感じる場合もあるようです。
企業で働く薬剤師
次に、企業薬剤師がうつ病になってしまう要因をご説明します。
企業薬剤師にはМRや研究職など幅広い職種がありますが、かなりストレスフルな環境のようです。理由としては、薬剤師という専門資格を持っていても他のサラリーマンと同じように成果を求められ、ノルマを達成するよう強要されることが挙げられます。
さらには、薬の品質管理を行う技術職であれば、品質や書類に問題があった場合、その日の出荷分全てが処分される可能性があり、新薬開発者であれば、患者の命という責任が重くのしかかる仕事内容であり、そういった重いプレッシャーから大きなストレスを感じることもありえます。
製薬企業などは薬局と比べて名の知れている会社が多いですから、口コミやネット上での批判もあり、企業名が具体的にあげられることもしばしばあるので、ショックを受けてしまい、うつ病を発症してしまうこともあるようです。
病院で働く薬剤師
病院で働く薬剤師がうつ病になってしまう要因を見てみましょう。
病院で働く薬剤師にもストレスフルな環境がつきまといがちです。病院は様々な人が出入りする場所なので、特にコミュニケーションが大変なようですね。患者さんの対応に神経をすり減らすこともありますが、小さな病院の場合は、医師やお局看護師との折り合いが悪くなることでストレスを感じることがあります。
大きな総合病院などになると、体育会系の雰囲気が残っていることがあって、薬剤師が上手く馴染めないという話も耳にします。先輩より早く出勤して、先輩より遅く帰ると言う習慣が根強い病院もあり、それが合わないことがストレスとなってうつ病を発症してしまうことが問題となっているようです。
ドラッグストアで働く薬剤師
最後にドラッグストアで働く薬剤師がうつ病になってしまう要因を探っていきましょう。
ドラッグストアは接客がメインの仕事となっています。接客面に関してストレスを感じる人が多くいるようです。ドラッグストアは基本的に薬剤師は1店舗に1人しかいない店舗が多く、それを負担に思っていることが多いようですね。なにしろ、お客さんが薬について薬剤師に話を聞きたいと言えば、薬剤師が1人しかいないので、万が一にも「わかりません」ということができません。
ドラッグストアに多く勤務している登録販売者と違って、薬剤師は大学で薬学を勉強して国家試験を受験することでしか得られない資格なので、なにかと頼りにされることが多いのです。そういった期待がプレッシャーとなり、苦しめられる薬剤師がうつ病になってしまいがちです。
うつ病にならないための対策とは?
では、うつ病を発症させないためにはどのような対策が必要なのでしょうか?
- 自信の生活を振り返る
- 仕事のストレスを軽減してみる
自身の生活を振り返る
気持ちが落ち込むなどのうつ病の典型的な症状に加え、約束を守れなくなる、身だしなみがだらしなくなるといった変化もうつ病の症状と言われています。そういった変化を早期に察知し、気をつけることは、うつ病の予防面で大変重要であると、厚生労働省の発表で述べられています。ときどき自分自身の生活を振り返ってみるようにしましょう。
仕事のストレスを軽減してみる
仕事をする時間と休養する時間にメリハリをつけて、リフレッシュを図ることが重要です。また、自分の持つ仕事を周囲の人に頼む、あるいは依頼された仕事を上手に断る術を身につけることも、たまには必要なようです。職場で話し合いをしたり、調整をしたりすることによって、ストレスフルな環境が改善すると考えられることについては、上司に具体的な提案を出してみることがオススメです。
おわりに
いかがでしたか?もしも「自分の環境はストレスだ」と感じ、疲れているのであれば、今いる環境を変えるだけではなく、転職も視野に入れて考えてみてはいかがでしょうか。
ストレスフルな薬剤師の職場が少しでも好転すればいいですね!
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