ママになった薬剤師にとって以前と同じ働き方をするのは決して簡単な話ではありません。
多くの場合、出産を経た薬剤師は正社員から時短勤務やパートに切り替えています。
とはいえ以前とは異なる働き方をするとなると不安だし、第一子育てと両立できるのかと疑問が湧きますよね。
そこで今回は正社員からパートに切り替えようか迷っている薬剤師の方のために、パート勤務のメリットとデメリットについてまとめてご紹介していきたいと思います。
パート勤務は子育て中のママ薬剤師との相性バツグン
これまで正社員で働いてきたのでパート薬剤師でやっていけるだろうかと、不安になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし実のところパートでの働き方には子育て中の薬剤師さんには、非常におすすめと言えるメリットがいくつもあるのです。
ママ薬剤師におすすめと言えるパートのメリット
- パート薬剤師は転勤が無いので落ち着いて子育てできる
- パートでも時給が高いのでママ薬剤師も稼ぎやすい
- 家庭事情に合わせて勤務地やシフトを選ぶことができる
パート薬剤師は転勤が無いので落ち着いて子育てできる
大手チェーンのドラッグストアや調剤薬局に正社員で勤めている場合、他店への出向で転勤することもあります。
独身時代ならまだしもお子さんが生まれた場合、あちこちに転勤するのはかなり無理があると言えます。
しかし正社員ではなくパート勤務であった場合は、基本的に他店への転勤は免除されます。
例外的に転勤があるとしても大抵は、自宅から通える範囲程度のものです。
また自分の希望する店舗で働くことができるため、無理なく通える距離で通勤することもできます。
パートでも時給が高いのでママ薬剤師も稼ぎやすい
薬剤師は資格が無いと就けない職業であり、その専門性の高さからパートでも時給が高いというメリットがあります。
そのため長時間勤務が難しいという場合でも、しっかりと稼ぐことができるので、ママになっても薬剤師として働く方はたくさんいます。
パートの場合ドラッグストアや調剤薬局でも、時給1,800円~2,200円程度で募集しているところが多く、また薬剤師が不足しているところなどはもっと時給が高い場合もあります。
お子さんがまだまだ目を離せない時期は、毎日勤務するのも難しいですが、薬剤師ならば週2からでも効率よく収入を稼ぐことができます。
正社員とパート勤務を交互に切り替えることができる場合も
また勤めている職場によっては正社員とパート勤務の切り替えができる場合もあります。
正社員だったけれどお子さんが小さい内はパート勤務にして、育児が落ち着いてきてからまた正社員に復帰する、という薬剤師さんも少なくありません。
キャリアを重ねてきた会社で、家庭事情に合わせた働き方ができるのは、薬剤師さんにとって大きな負担軽減になります。
まだ独身の薬剤師の方はそういった将来を見越して、職場探しをするのも良いでしょう。
家庭事情に合わせて勤務地やシフトを選ぶことができる
もし転職でパート勤務を希望する場合、正社員よりも条件が緩いので、ブランクありのママ薬剤師も応募しやすいという特徴があります。
また子育て中である場合は、家庭事情に合わせた希望が通りやすいというメリットがあります。
たとえばブランクがある方もOKという求人がたくさんありますし、さらに勤務時間や曜日の相談を受け付けているケースも多く見られます。
無理なく子育てと両立しやすい環境を作ることが可能
応募の際に子育て中であることを採用側に伝えれば、勤務地も駅に近い職場やスーパーに併設されたドラッグストアなど、徒歩でも車でも通勤しやすい職場を選ぶことができます。
そのためお子さんがまだ小さい家庭であっても勤務地を調整することで、通勤の間に保育園の送り迎えをすることも可能です。
またパートは週2日からでも勤務することができ、ほとんどの職場では希望する曜日を選べるほか、夏季休暇や年末年始に関してもシフトの融通が効きやすいので、ママ薬剤師も無理なく働けるライフスタイルを実現できると言えるでしょう。
ママ薬剤師におすすめのパート勤務だがデメリットもある
このようにパート勤務は子育てで忙しいママ薬剤師にとって、働きやすいメリットがいくつも揃っています。
パート勤務は家庭と仕事を両立しやすいので、育児中の薬剤師に人気の働き方であることは確かです。
しかしメリットの逆にデメリットとなる部分も複数あります。ここではパート勤務におけるメリットに続いてデメリットもまとめてご紹介していきたいと思います。
パート勤務で注意しておきたいデメリット
- 薬剤師の仕事と関係ない雑務をこなすことが多くなる
- 正社員と業務内容が異なるのでスキルアップが望めない
- ボーナスが無いので正社員よりも収入が低くなる
ボーナスが無いので正社員よりも収入が低くなる
パート薬剤師は正社員より勤務時間や勤務地に融通が効き、残業もほぼ無いのでママ業を兼任している薬剤師にとっては体力的に助かりますが、時給での仕事になりますので正社員よりも収入が低くなります。
時給が高いのでシフト次第では、若手と同じくらいの収入を叩き出すことは可能ですが、正社員のようにボーナスは出ないので、どんなに頑張っても年収500万円ほどが限界となります。
そのためお子さんの人数が多いほど、生活的に苦しくなる可能性も充分に考えられます。
薬剤師の仕事と関係ない雑務をこなすことが多くなる
ドラッグストアなどでパート勤務する場合、薬剤師としての仕事ではなく、商品の陳列をはじめ発注・接客・レジ業務などの雑務を担当するため、調剤など本業である薬剤師とは関係ない仕事の方が多くなります。
薬剤師の資格を持っていても仕事では、スーパーでのアルバイト業とそう変わらない仕事をこなすので、そのギャップがストレスとなるケースもあります。
調剤薬局もこの点は同じで、調剤業務は正社員薬剤師が担当し、パート薬剤師はお客さんへの服役指導や、店舗の掃除などを任されることがほとんどです。
パート薬剤師は正社員と同じ業務任されることはあまり無い
薬剤師資格を持っているとしてもパート勤務では、正社員と同じ業務を担当することはあまり無いと言えるでしょう。
資格を盾に店舗の雑務を断るのは、職場の人間関係を悪化させる要因にもなります。
少しでも安定して働くためには、その店舗のやり方に従って仕事をする必要もあるということです。
店舗によっては担当する仕事が明確になっている場合も
しかし近年では接客とカウンセリングを担当する薬剤師・店舗運営に責任を持つ運営責任者の役割分担を明確に分けているドラッグストアも増えています。
有名どころでは1店舗2ライン制を導入しているサンドラッグが挙げられますね。
担当する仕事を明確にしたいと思っている薬剤師の方は、転職サイトを利用しエージェントに、どの業務を担当したいかを伝えた上で求人を紹介してもらうと、職場とのミスマッチが起こる可能性を減らすことができるでしょう。
正社員と業務内容が異なるのでスキルアップが望めない
パートの場合は週2日から勤務できるので、ママ薬剤師にはとても助かりますが、その分正社員としての仕事はほぼできません。
調剤業務よりもレジや接客などの雑務が増えるため、正社員に比べてスキルアップすることが難しい環境と言えます。
お子さんが手のかからない時期まで成長したら、正社員に復帰しようと考えている方の中には、正社員に戻れる自信が無いという方もいらっしゃいます。
パート勤務だと育児と仕事の両立がしやすくなるものの、薬剤師としての将来のキャリアに不安を感じる方も少なくないようです。
ブランクが心配な方は復職支援が充実している転職サービスや職場を選ぼう
ブランクがあっても決して復帰できないというわけではありません。
ただ職場によって復帰しやすいところもあれば、復帰が難しいところもあります。
たとえば急性期病院などは最新の医療知識が必須となるほか、仕事にもスピードが求められますので、ブランクのある薬剤師にはやはり難しいでしょう。
しかしママ薬剤師を対象とした研修などで、手厚い復職支援を行っている職場も少なくありません。
また薬剤師の求人に特化した転職サイトの中には、復職支援プログラムを実施しているところもあります。
パート勤務から正社員に復帰したい薬剤師の方であれば、まず復職支援を受けられる転職サイトを利用しつつ転職先を探すか、あるいは復職支援を実施している職場の求人に応募すると、よりスムーズに正社員への復帰が叶うでしょう。
ママ薬剤師に嬉しいメリットが多いけれどデメリットもあることを忘れずに
このようにパート薬剤師には正社員薬剤師には無いメリットがたくさんあるものの、反対にデメリットとなる部分もあります。
しかしシフトや勤務地に融通が効き、さらに資格があれば高時給で働けるので、子育て中でも働きたいというママ薬剤師には、おすすめの働き方と言えるでしょう。
最後にパート勤務がおすすめと言える人の特徴についてまとめておきましょう。
パート勤務がおすすめと言える人の特徴
- 遠方に転勤するのは避けたい
- 年収よりもプライベートの確保を重視したい
- 自分のライフスタイルに合わせた働き方をしたい
今回ご紹介したメリット・デメリットをきちんと吟味した上で、自分には合っていると感じたら是非パート勤務を検討してみてください。