薬剤師の離職率が高い?原因は?

薬剤師_離職率

厚労省の平成29年の調査によると薬剤師の所属する医療職、福祉職の離職率は平成14.5%です。

飲食サービス、生活関連サービス、不動産業についで13業種のうち第4位なので、決して低いとは言えない数字です。

新卒薬剤師の3年以内の離職率は30%と言われていますので、薬剤師の離職率は高いということができます。

ではなぜ薬剤師の離職率が高いのか勤務先別にまとめてみました。

後半では離職率をどうしたら下げることができるのかその解決法を提案していきます。

 

職種ごとの薬剤師の離職の原因

薬剤師と一口にしても勤務先によってその働き方は様々です。

それぞれの離職にはそれぞれの離職の原因があります。

病院薬剤師の場合

病院薬剤師は1年以内の離職率が約20%と高いです。

原因としては「勤務時間外の勉強会が多い(=残業なのに手当が出ない)」、「病院内でのカースト(=看護師、医師に下に見られる)」などがあります。

病院薬剤師は就職の難易度が高い分、志を持って病院薬剤師になる方が多いのですが、手当の出ない残業や病院内でのカーストによって「思ってたのと違う」とやめてしまう方が多いようです。

調剤薬局薬剤師の場合

病院薬剤師と並んで人気の高い薬局薬剤師ですが、離職率は10%となっています。

原因としては「コミュニティが小さすぎる」「調剤がワンパターン(=成長につながらない)」などがあります。

薬局薬剤師は薬局という狭い空間での勤務なので、おなじ職場の薬剤師との人間関係が非常に重要になっています。

薬局ごとの雰囲気もちがいますし、昇進もあまり望めないため他の職に移っていまうパターンが多いそうです。

同じ科目の調剤しかしないため、自分のスキルアップの面でも思わしくないと思う薬剤師もいます。

ドラッグストアの場合

ドラッグストアごとでの離職率にも差がありますが、基本的に原因は同じで「シンプルに忙しい」というのが大きな原因となっているようです。

市販薬販売も合わせて行っている貯め薬剤師としての知識は向上しませんし、ドラッグストアとしての他の業務も多いとなると、薬剤師である必要がないと感じてしまいます。

男女比から見る離職率の高さ(出産というもう一つの離職ポイント)

薬剤師に限った話ではありませんが、薬剤師の3年以内の離職が第一の離職ポイントだとすると、女性の結婚や出産による離職は第二の離職ポイントと言うことが出来ます

女性の30代での就業率の低下は日本の規範的な問題で、子育てをするために女性は一度職を離れざるを得ないというのが現状です。

日本では女性の薬剤師は男性の薬剤師よりも7万人多いので、結婚や出産による離職は見過ごせません。

薬剤師の業務が合わないという離職と、結婚出産という外部要因の離職という、薬剤師の離職率の高さはこの2つの離職ポイントから成り立っていると言うことができます。

この構造的な離職は今すぐどうにか出来る問題ではないのですが、前述したような職場と自分の関係が原因となっている離職というのは自分で避けることができます。

薬剤師として失敗しない職場選びをするには

同じ病院薬剤師やドラッグストアの薬剤師でも、職場によっての雰囲気は異なります。

なるべく離職しないためには自分にあった職場、業種の薬剤師求人を見つけることが必要です。

同業者からの口コミを参考にする

職場の雰囲気を一番知っているのは無論そこで働いているひとです。

薬学部時代の友人などをたどって、ここの病院はどうか、この薬局はどうかなど、実際に働いているひとの話を聞いて実際に自分が働いている姿を想像して自分がその職場に向いているかを考えるべきです。

転職サイトを利用する

口コミや友人関係だけで得られる情報はリアルですがその範囲には限界があります。

転職サイトに登録してその企業の評判を見て企業を選ぶことをおすすめします。

転職サイトは年収や福利厚生の口コミを重要視してしまいがちですが、内部の雰囲気なども読み取らないと、前述したような直接職業とは関係ないような外部要因で転職、離職を余儀なくすることになります。

転職エージェントを雇う

転職エージェントから、逆に自分のニーズを伝えて合致した企業を紹介してもらうという手段もあります。

転職サイトに出ていないような転職エージェントが持っている求人もあるので、信頼できるエージェントに紹介してもらうのもおすすめです。

まとめ~情報収集が大事~

薬剤師の離職率が高いのは職場の雰囲気が自分と合わない、自分の思い描いていた仕事と違うというギャップが主な原因であることがわかりました。

薬剤師に限らず、新卒が企業を選ぶ際にどうしても給与や福利厚生に目が行きがちですが、特に薬剤師は自分がやりたい仕事が出来るのかなどを事前によく調べて置くのが重要で、給与が良いからなどの量的な調査だけで決めた職場を離れている人が職によっては20%いるという現状があります。

なるべく自分にあった職場に出会うための情報収集は何より自分の為に非常に重要なのです。

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