薬剤師が転職活動を行う際に、欠かせない存在となっているのが、転職エージェントや直接応募型の転職サイトです。
これらのような転職支援サービスはたくさんありますが、そのどれもが独自のサービスを展開しており、得意不得意も別れます。
転職活動で利用するサービスとしては、転職エージェントが主流と言えますが、どちらにもメリット・デメリットがあり、自分に合う使い方を心得れば、転職活動で大いに役立ってくれます。
今回は薬剤師求人を探している方々に向けて、転職エージェント・直接応募型のメリットと、使わない場合の注意点などを解説していきたいと思います。
薬剤師の転職エージェントを使うメリットと使わない場合の注意点
Contents
エージェントが転職に必要な手続きを代行してくれる
薬剤師の転職エージェントでは、以下のような様々な業務を代行してくれます。
- 希望に沿った求人のピックアップ
- 求人の応募手続き
- 履歴書などの応募書類の添削・作成
- 面接のスケジュール調整
- 配属先や給与の交渉 など
このように転職エージェントでは、転職に必要な作業や手続きのほとんどを、薬剤師の代わりに行ってくれるサポートを提供しています。
これらのサポートは全て無料です。薬剤師から手数料などを支払う必要は一切ありません。
薬剤師が直接やり取りを行うのは企業との面接くらいで、そのほかの手続きで企業と直接やり取りすることはありません。
転職サイトに登録していない場合は、これらの作業を全て自分で行う必要があります。
これだけのサポートが無料で揃っているのに、利用しないのはもったいない気がしますね。
一般求人よりも条件の良い非公開求人を閲覧できる
転職サイトに登録していなくても、サイト上で薬剤師求人の検索を行うことはできます。
ただし、未登録の状態である場合は、非公開求人を閲覧することはできません。
非公開求人は一般公開されている求人とは異なり、全ての情報を閲覧することができない仕様となっています。
これらのような非公開となっている求人の内容は、転職サイトに登録することで閲覧が可能になります。
非公開求人は強いコネクションが無いと情報が入らない
非公開求人の最も大きな特徴として挙げられるのが、ほとんどの場合、給与が高い・あるいは役職の募集など、他の求人と比べて条件が良いというという点です。
そのような求人であれば、もちろん応募者が殺到します。そうなると採用担当者の対応が追いつかなくなるので応募者を制限するため、企業が信用のおける転職エージェントに、非公開求人にするよう依頼するのです。
非公開求人は通常の求人のように公開されていないので、よほど薬剤師業界で強いパイプを築いていない限りは自力で探すのは困難となります。
よって転職エージェントを使わない場合は、このような条件の良い非公開求人を探すことができないというデメリットも発生するのです。
企業との難しい交渉をエージェントに任せられる
転職エージェントを活用する大きなメリットの一つに、企業との交渉を任せられるというものがあります。
条件は気に入ったけれど給与額を交渉できないかな……と思うときがあっても、企業側に給料についての交渉をするのは、誰でも気が引けます。
しかし転職サイトであれば、エージェントが薬剤師と企業の間に立って、交渉にあたってくれます。
この際にも薬剤師が企業と直に接することはありません。またエージェントに交渉を頼んだからといって、採用に不利な影響が出ることはありません。
しかし、転職エージェントを使わない場合は、企業との交渉も自分で行う必要があります。
面接でもエージェントが後押ししてくれる
面接に自信がないという方はたくさんいます。しかしそんな悩みもエージェントのサポートがあれば解消することが可能です。
転職エージェントではまず求人に応募する前に、面接対策や模擬面接をお願いできるので、さらにブラッシュアップした上で面接に臨むことができます。
また、本番の面接がイマイチだったという場合でも、エージェントのサポートにより、挽回することが可能です。
大抵の場合、面接が終わったあとにエージェントが採用担当者と連絡を取り、薬剤師が持つスキルや人材としての魅力を、改めて伝えてくれています。
面接で自分を充分にアピールできなかったとしても、エージェントからの後押しにより、採用となるパターンも珍しくはありません。
書類選考を通過したのであれば、面接も成功させたいですよね。
転職エージェントのサポートがあれば、このようにより面接で優位に立つことが可能となります。
薬剤師の転職エージェントを使わないで、直接応募型の転職サイトを使う手もある
薬剤師の転職では、現在転職エージェントに登録して、転職活動を行うことが主流となっていますが、エージェントを利用せずに薬剤師求人を探すこともできます。
最もポピュラーな方法としては、直接応募型の転職サイトを利用しての方法が挙げられます。
転職エージェントと直接応募型の転職サイトはどう違うの?
直接応募型の転職サイトは、エージェントを仲介せずに自分で求人に応募する仕組みとなっています。
転職エージェントを使わないのであれば、こうした直接応募型の転職サイトを利用することになるでしょう。
また、転職エージェントと直接応募型の転職サイトには、それ以外にも以下のような違いがあります。
転職エージェント | 直接応募型サイト | |
面談 | 在り | 無し |
応募書類の添削 | 在り | 無し |
面接対策・バックアップ | 在り | 無し |
採用担当者との交渉 | 在り | 無し |
スケジュール調整 | 在り | 無し |
退職に関するフォロー | 在り | 無し |
求人数(非公開求人含む) | 多い | 少ない |
転職エージェントと直接応募型の転職サイトは、一見似ているようで、より細かく見てみるとサポートではこれだけの違いがあります。
反対にそれぞれで共通している部分を書き出してみると、以下のようになります。
- 利用できるサービスが無料
- 薬剤師の求人を検索できる
どちらも無料だがサポートは転職エージェントの方が豊富
上記の特徴から見てみると、どちらも無料で利用できるサービスではありますが、受けられるサポートの量は圧倒的に転職エージェントの方が豊富です。
また、あくまでも両者のサービスを比べた場合の話ですが、保有している求人数も転職エージェントの方が多い傾向にあります。
両方とも無料であるなら、サポートの行き届いたサービスの方が、利用メリットが大きくお得だと言えますね。
直接応募型の転職サイトはどんな人に向いている?
直接応募型の転職サイトはサポートこそ少ないですが、薬剤師求人を探すことができるので、転職活動で全く利用できないというわけではありません。
またエージェントを仲介しない分、直接応募型の方がよりスピーディーに動けるというメリットもあります。
たとえば以下のような事情である場合は、直接応募型のサイトを利用するのに向いていると言えます。
- 転職をするかしないか、まだ決めていない
- とりあえずどんな求人があるのか見ておきたい
- どんな企業が自分に興味を示すかを知りたい
- 時給の相場を把握しておきたい
- すぐに転職先を見つける必要がある
本格的に転職活動する前なら、直接応募型の転職サイトでも問題ない
まだ転職すると決まっていない場合でも、薬剤師の転職エージェントに登録することは可能です。
ただしほとんどの場合、エージェントとの面談が必須となりますので、億劫に感じる方はとりあえず情報収集するという形で、直接応募型の転職サイトに登録するというのもアリでしょう。
また直接応募型の転職サイトでは、企業からスカウトメールが来ることがあります。
企業はその薬剤師の経歴を踏まえた上で、スカウトメールを送信しているので、どんな企業に興味を持たれる傾向があるのかを確かめるために、登録するのも良いでしょう。
すぐに転職先を見つける必要がある場合も、直接応募型の転職サイトであれば、すぐに応募することが可能となりますが、転職エージェントよりもミスマッチが起こる可能性が高いので、その点は留意しておきましょう。
自分の状況に合わせて、薬剤師の転職エージェントを使うか使わないかを決めよう
このように薬剤師の転職活動では、転職エージェントを使う場合もあれば、使わない場合もあります。
これから転職活動をするのであれば、それぞれのサイトの特徴をしっかりと把握しておくことです。
たとえばすぐに転職先を見つけたい場合は、スピード重視で対応してくれるサイト、慎重に転職先を選びたい場合は、じっくりと薬剤師に向き合ってくれるサイトを利用すると良いでしょう。
転職エージェントを使う場合、あるいは反対に使わない場合であっても、自分に適したものを選ぶのが転職を成功させるコツと言えるでしょう。