薬剤師などの医療従事者はお給料が高いイメージがありますよね。
景気にも左右されにくく、安定していると噂の薬剤師ですが、実際の所儲かるのでしょうか?
病院、調剤薬局、ドラッグストア、企業といろんなところで働いている薬剤師ですが、そのお給料事情に迫ります!
薬剤師の平均年収はどのくらい?
平成29年度の人事院統計表によると、薬剤師の平均年収は585.6万円となっています。
かなり高いですよね。
日本人の平均年収は416万円なので、150万円以上の差があります。日本の平均と比べても薬剤師の給料は高いということが分かります。
薬剤師になるのは容易ではない
薬剤師の給料は高いのですが、医療従事者という職業柄、なるのは容易ではありません。
薬学部は2006年から6年制に改められ、臨床実習や試験も多いため忙しいです。
さらに国家試験に向けての勉強も並行して行う必要があり、合格率は70%ほど。
6年間の大学生活で1000万から1500万の学費がかかります。
調剤薬局で働く
薬剤師が働く代表的な職場の一つが調剤薬局です。
医師が発行した処方箋を受け取り、薬を調剤して患者さんに渡すことが主な仕事になります。
他にも介護施設や老人ホームを訪問し、薬の飲み方について指導することもあります。
薬剤師の約半数が調剤薬局に勤めており、全国に56,000件以上と、なんとコンビニよりも多いです。
調剤薬局には夕方までのところや、深夜も営業していると様々な形態があるので、働き方に合わせて選ぶことが出来るのがメリットです。
調剤薬局で働く薬剤師さんの平均年収は58.8万円となっており、高い水準と言えます。
ドラッグストアで働く
最近では調剤施設を併設したドラッグストアが増え、その分薬剤師の重要も高まってきています。
薬の販売に関する法律は日々変化しているため、企業間競争の中でこのような形態が生み出されました。
調剤施設のあるドラッグストアでは、市販薬やサプリメントも含めて健康指導を行うことが出来ます。
お客さんの症状や要望に合わせて市販薬を紹介し、使用方法について指導を行うことが主な業務ですが、それだけではありません。
ドラッグストアでは日用品も販売しているので、品出しやレジ打ち等の医薬品と関係ない業務も行います。
そのため、薬剤師としてのやりがいをあまり感じられないと考える人もいます。
ドラッグストアで働く薬剤師の給料は、多くの企業で600万円を超えます。
また、店舗経営に携わる役職になると1,000万円以上も不可能ではありません。
薬剤師の中では、比較的給料が高く、儲かる職場といえます。
病院で働く
病院や医院で働く薬剤師は医療に深く関わることができます。
薬剤師は「チーム医療」の一員として働くことができ、服薬指導から副作用の確認、薬歴の確認等と、「薬の専門家」として患者さんの治療に深く関わることができます。
患者一人ひとりの治療にこれほど深く関われるのは病院薬剤師ならではであり、ドラッグストアや調剤薬局、企業では得ることが出来ない経験です。
また、病院は最先端の医療現場であり、そこで調剤を行うことは薬剤師のスキルを大きく向上させることにもつながります。
そのため多くの薬学部卒業生は病院での勤務を希望する傾向にあります。
病院に勤務する薬剤師の平均年収は521万円と薬剤師の平均を下回る給料となっています。年収は他の勤務場所と比べて低いですが、やりがいは大きいでしょう。
企業で働く
製薬会社のMR(医薬情報担当)として働く薬剤師もいます。
MRとは病院で働く医師や薬剤師などに、自社医薬品の情報や有効性を伝える職種です。
いわゆる営業職と思われがちですが、MRは自社の商品を多く売ることだけを目的にしているわけではなく、実際、医療機関に価格を提示して契約を結ぶことを禁止されています。
MRは薬剤師の資格を必要としないため、文系出身でも活躍することができる職種です。
しかし、医薬品を扱う仕事なので、薬に精通している薬剤師はとても有利と言えるでしょう。
MRに求められる能力としては、医薬品に対する知識以外にもトーク力が求められます。
多忙な医師に短い時間で医薬品についての情報を伝えるため、必要不可欠の能力です。
MRの年収は500万円から1000万円と、とても高収入が期待できる職種です。30代で1,000万円を超えることも不可能ではありません。
まとめ
薬剤師の給料は、一般的な日本人の給料と比べても高く、儲かる職業と言えるでしょう。
ただ、薬剤師と言っても働き方、働く場所はばらばらであり、それによって給料も変わってきます。
医療従事者になるには、決して安くはない費用と、かなりの時間と努力が必要となってきます。
やりがいや得られるスキルについてもそれぞれ働く場所によって異なってきます。
薬剤師という職種は安定しており、これから先も必要性は高くなるので、自身の働き方を考える上での参考になれば幸いです。