薬剤師の就職先は大まかに分けると、調剤薬局・ドラッグストア・病院・製薬会社の4つがあります。今回はこの4つの職場ごとの悩みを一つずつ見ていきたいと思います。
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どの職場でも共通の悩みは?
薬剤師の悩みとしては職場別に異なるものがあるわけですが、すべての職場に共通してある悩みが、
・人間関係
・業務量、残業量
・やりがい、将来性
があります。上司からのいびりがある・仕事を押し付けられる、薬局のみで働き続けていて社会人としてやっていけるか不安である等の声が職場共通の悩みとしてありました。
以下、職場別の悩みを見ていきたいと思います。
必見!薬剤師の職場別の悩み
調剤薬局で働く悩みは?
調剤薬局で働く薬剤師の悩みを伺ったところ、大きく分けて4つの悩みがあることが分かりました。
・1日中調剤が絶えず仕事がハード
・勤務時間が長いわりに給料が少ない
・女性が多いため人間関係がギスギスする
・仕事がとにかく単調
以上の4つです。
一番多くあがったのが「1日中調剤が絶えず仕事がハード」という声です。ひとつの調剤薬局にいる薬剤師の数は基本的に少なく、人手が足りていない局も多いです。1人の薬剤師さんが1日に処理できる処方箋の枚数はだいたい40枚までと言われています。しかし、人が足りていないがゆえに、1日で60枚以上の処方箋を処理しなけらばならない薬剤師さんもいるようです。調剤薬局に転職しようと考えている方は、その職場にどれくらいの人数の薬剤師がいるのか、人手不足が深刻ではないかを事前に調べておく必要があるでしょう。
次に多かったのが「勤務時間が長いわりに給料が少ない」という声です。地域や規模によって差があり、年収も350万~600万円と非常に幅が広いですが、最近では調剤報酬のマイナス改定が行われたために、調剤薬局で働いている薬剤師さんの年収が全体的に下がっている傾向があるようです。残業も多々あるようですが、土曜は午前のみ勤務、日曜・祝日は休みというようになっている調剤薬局が多いようです。基本的に営業時間は近隣の病院と合っていることが多いです。
「女性が多いため人間関係がギスギスする」という声も男女共にあがりました。基本的に調剤薬局は小規模なので、少ない人数で営業することが多いです。コミュニティが狭い分、人間関係で何かトラブルが起きることも多いようです。
「仕事がとにかく単調」という声もあります。薬を調剤する作業はとても単調なものですが、ミスは許されません。
憧れの薬剤師になれたものの、実際に働いてみると仕事が単純すぎてつまらなく感じ、やる気をなくしてしまうという新卒の薬剤師さんも多いです。しかし調剤薬局によって仕事の形態は異なるため、別の調剤薬局に移れば単調な仕事からも抜け出せるかもしれません。その際は事前にその職場を見学し、仕事の形態をつかめておけるといいでしょう。
ドラッグストアで働く悩みは?
ドラッグストアで働く悩みも大きく4つに分けました。
・調剤ではない仕事が多い
・お客さんとのコミュ二ケーションが苦痛
・土日休みが確保できない
・売り上げのノルマが課せられる
の4つです。
最も多く上がったのが「調剤ではない仕事が多い」でした。ドラッグストアは調剤薬局とは違い、薬品以外の販売も行っているので、レジや品出しなどの他の業務に追われることが多いようです。
次に「お客さんとのコミュニケーションが苦痛」という声です。調剤薬局では、既に医師が患者を診て処方された薬を調合するのでお客さんから直接相談を受けることはないですが、ドラッグストアの場合、「どの薬が自分に合っているのか」という相談から始まるので、人とコミュニケーションをとることに苦手意識がある人にとっては苦痛なようです。
3つ目は「土日休みが確保できない」という声です。こちらもドラッグストア特有で、ドラッグストアの場合店舗によっては年中無休のところも多いので、薬剤師さんの数が足りていないと土日でも出勤せざるを得ない状況になることが多いようです。転職する際は、各店舗にどのくらいの薬剤師さんがいるのか把握しておくことが重要です。
4つ目は「売り上げのノルマが課せられる」という声です。ドラッグストアの場合、薬剤師も店舗の経営に関わる「従業員」としてみられてしまうため、調剤のみではなく経営に関わる業務もしなければならなくなります。そうしますと調剤のみに集中することも難しいですし、当然自分のプライベートの時間も減ってしまいます。このことを理由として転職を考える薬剤師さんも多いようです。
病院で働く悩みは?
病院で働く悩みは以下の4つがありました。
・夜勤・当直が多い
・他の医療関係者との人間関係が面倒くさい
・給料が安い
・とにかく休みがとれない
「夜勤・当直が多い」これは当然のことですが、病院には多くの患者が寝泊まりしています。そうすると必然的に夜勤等が多くなり、身体的にも精神的にも疲弊してしまい、転職を考える薬剤師の方が多いようです。
「他の医療関係者との人間関係が面倒くさい」という声も多いです。病院では医師や看護師とチームで医療に従事します。日本の病院では未だに医療分業が浸透しておらず、どうしても医師の権力が大きくなってしまうため、その人間関係に煩わしさを感じる方が多いようです。
意外にも「給料が安い」という声が多いです。病院で働く薬剤師にはより高度な知識が求められるため、やりがいは感じやすいようです。にも関わらず、給料は調剤薬局やドラッグストアで働く方より少ないのです。そうしますと当然、給料がいい他の職に転職を考える方も多いです。
最後に「とにかく休みがとれない」という声です。病院では基本的に土日が出勤のことが多いです。他の日に代休をとるというかたちになります。シフトも確定後に変更することは難しいです。高度なスキルが求められやりがいはあるけども、とにかく休みがとれないことが大きな悩みになっているようです。
企業・製薬会社で働く悩みは?
基本的には給料も高くて安定して働ける製薬会社ですが、やはり特有の悩みがあるようです。
・薬剤師免許を生かせない
・転勤が多い
・残業が多い
一番多かった声が「薬剤師免許を生かせない」というものです。製薬会社に勤めていると、仕事上薬剤師免許が必要でない職に就くこともあります。例えば、自社の製品を医師に提供するMRという職がありますが、この職についている方で薬剤師免許を持っている割合は全体で1割だそうです。薬剤師免許を持っていなくてもできる仕事とあって、MRを否定的にとらえている方が多いようです。
次が「転勤が多い」という声です。企業なので全国にわたって転勤があるようです。そのため落ち着いて仕事がしたいという方には大きな悩みとなってしまいます。
「残業が多い」という声も多いです。企業とあって福利厚生がしっかりしており休みも取れやすそうですが、やはり仕事がハードであることに変わりはないので、手当が付くと言えども残業が多くなることが多いようです。
悩みを解消するために!
以上で見てきたように、職種や勤務地によって薬剤師の悩みは実に様々です。悩みを解消するために転職を考える方は多いですが、現状転職で失敗してしまう方も少なからずいます。
良い転職をするために、転職の際には薬剤師専門の転職エージェントを活用しましょう。転職しようと考えている職場で働いている方の悩みや、職場の雰囲気、実態をしっかり調べておけば転職に失敗することもありません。悩みなくやりがいをもって働ける職場を見つけましょう。