処方箋の必要がなく誰でも購入できる薬
「一般用医薬品」とは、医師の処方箋がなくても一般の人が自由に購入できる医薬品のことです。
一般用医薬品は「OTC(Over The Counter)医薬品」とも呼ばれ、医師の処方箋が必要な医療用医薬品とは厳格に区別されています。
医薬品は用法や用量が適切でないと期待した効果が得られなかったり、副作用が発生したりする可能性があります。このため医師の診断により作成された処方箋に基づき、薬剤師が調剤した処方薬を用いるのが原則です。
しかし、体調の管理や病気の予防、原因が明らかな慢性疾患などの症状緩和に対しては、比較的危険性が低い医薬品(有効成分の含有量を抑えるなど安全性を重視した医薬品)に限り、自分の判断で購入・使用することが認められています。これが一般用医薬品です。
私たちが一般用医薬品に関して正しい知識を持ち、適切に使用することはセルフメディケーション(ひとりひとりが自分の健康に責任を持ち、積極的に管理することで医療機関を受診する手間や費用を省くという考え方。保険医療費の抑制効果も期待されている)を推進するうえで非常に重要であると考えられます。
一般用医薬品の分類は3つ
一般用医薬品は、副作用などのリスクの度合いによって、下記のように「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」に分類されています。
- 第1類医薬品…特に注意が必要な成分を含み、薬剤師の指導・書面による情報提供義務があり、薬剤師のみが販売できる
- 第2類医薬品…薬剤師または登録販売者のみが販売できる
- 第3類医薬品…特に販売の制限なし
なお、薬局ではこうした一般用医薬品とは別に、医師の処方箋がなくても薬剤師から対面での指導・文書での情報提供を受けたうえで購入できる、医療用医薬品に準じる「要指導医薬品」も購入できます。
インターネットでも購入できる一般用医薬品
これまでは対面販売によらない医薬品の通信販売は第3類医薬品だけに限られていました。しかし、平成25年12月に薬事法が改正され、これを受けて、平成26年6月12日からインターネットや電話によって一般用医薬品(第1類・第2類・第3類)の通信販売が可能になりました。
ただし、ネット通販が認められるのは、「実際の店舗を有する、薬局や店舗販売業の許可を持った販売業者」に限られます。また厚生労働省は、ネット通販であっても、薬剤師による年齢や使用状況の確認や情報の提供など、適切なルールが守られることを義務づけています。